政権交代で宙に浮く日高ワシントン・レポート

政権交代で宙に浮く日高ワシントン・レポートhttp://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/840225.html
タイトル: 政権交代で宙に浮く日高ワシントン・レポート

1.政権交代してもまだ続けるのか、日高ワシントン・レポート

 2009年9月13日、テレビ東京にて日高義樹ワシントン・レポートが放映されるという広告が日経新聞に大きく載っています。普通のTV番組がこのように新聞広告に大きく載せられることは稀ですが、この番組は毎回、大きな広告が載り、その下に、ご丁寧にスポンサー企業名(日本の大手ブランド企業)が列記されます。今回が168回で、テーマが「北朝鮮爆撃計画」となっています。

 北朝鮮ではキムジョンイル後継者が三男の正雲に内定し、北の対米外交窓口がオバマ政権に移って、今のところ、北はおとなしいのに、どうしてこのようなぶっそうな話題を取り上げるのか首をかしげてしまいます。この番組の企画者はまったく現実から遊離しています。

2.日高氏はなぜ戦争屋の対日エージェントをやっているのか

 上記、日高氏はハドソン研究所の客員首席研究員の肩書をもっていますが、このシンクタンク共和党系かつ戦争屋系(軍産複合体の米国覇権主義者)です。

 ちなみに、ハドソン研究所は、筆者の専門、MOT(技術経営)におけるシナリオ・プラニング手法を開発したフューチャリストハーマン・カーン博士が1961年に創設した軍事研究シンクタンクです。その弟子、ピーター・シュワルツは筆者の勤務したSRIインターナショナルの研究員でした。

 さて日高氏は最近「オバマ外交で沈没する日本」(徳間書店、2009)を出版しています。筆者はこの本を読んでいませんが、タイトルから明らかなように、アンチ・オバマです。このことから、日高氏はアンチ・オバマの戦争屋系エージェントであることが判明します。一方、民主党オバマは周知のようにアンチ・戦争屋=CIA=国防総省共和党系ですから、日高氏のワシントン・レポートは、オバマ政権下の米国連邦政府の動向ではなく、単に、国防総省=戦争屋=CIAを代弁しているにすぎません。

3.偏った日高ワシントン・レポートにだまされないように

 かつてのブッシュ政権時代は、共和党ブッシュ政権国防総省=戦争屋=CIAでしたから、日高レポートにそれほど違和感はなかったのですが、民主党オバマ政権になってからは、非常に違和感をもちます。露骨なアンチ・オバマの人物(戦争屋の対日エージェント)が、現・米国連邦政府オバマ政権)の動向をレポートしているのです。国民は、この前提を踏まえて、彼のレポート番組を観て欲しい。非常に偏っています。同じことは、日本の大手新聞のワシントン・レポートにも言えます。みなさん、くれぐれも誤解しないよう気をつけましょう。

 さて、既述の日高レポートは、はっきりいうと、戦争屋=CIAの対日宣伝番組です。このような番組に、日本の有名ブランド企業がスポンサーになっていることに筆者は前々から強い違和感があります。しかもこれら企業は、三菱重工IHI(筆者の出身)など防衛関連企業でもありません。これら平和産業のスポンサー企業の広報宣伝部はいったい何を考えているのか、それとも何も考えていないのか、実に不思議です。

4.ミイラ獲りがミイラになった日高氏

 ところで日高氏はなぜ戦争屋の対日エージェントを務めているのでしょうか。彼は元々、NHKのエリートです。かつてNHKがアナログ・ハイビジョン技術を開発、それを世界標準にしようとして、80年代末、NHKは米国ワシントンDCなどでロビー活動を始めました(注1)。その対米交渉責任者だったのが日高氏です。彼はわれわれ国民が払ったNHK受信料を、ワシントンDCを根城とする政治マフィアやロビイストにばらまいていたのです。米国人の本性を知らなかったであろう、ウブだった日高氏は、彼らからヨイショされて舞い上がった。かつてハーバード大に留学した竹中平蔵氏なども同じような扱いをされたはずです。

 日高氏はこのとき、国民のNHK受信料バラマキのおかげで、ワシントンDCに金ヅル人脈を形成したわけです。それと同時に、彼はすっかり洗脳されて、まさにミイラ獲りがミイラになったのです。

 ちなみに日高氏と似たような境遇の人物で、手嶋龍一(元NHKワシントン支局長)という人物がいますが、彼は米国人の本性にある程度気付き、彼らの手先にならず、日本で外交評論家になっています。

5.ひとひねりでラムズフェルド一派に籠絡されたウブなNHK

 ウブだった日高氏は、NHKハイビジョンの世界標準化を夢想したものの、狡猾なロナルド・ラムズフェルド(戦争屋エージェントのエリート)一派に、すっかりだまされてNHKの夢想したハイビジョン技術の国際標準化は徹底的に潰されました(注2)。その挙句、日本は、わけのわからない地上デジタル放送(地デジ)を2011年から導入させられる破目になりました。われわれがもっているアナログテレビ受信機がすべてオシャカになります(注3)。筆者はまだアナログテレビをもっていますが、地デジのバカな宣伝(以前、草なぎ剛の出ていた)を観るたびに、腹が立ってきます。

日高氏の元上司、島桂次NHK会長も、手嶋氏の元上司、海老沢勝二NHK会長も、ラムズフェルド一派、すなわち戦争屋=CIA連中のお得意の陥穽工作にマンマと嵌められて失脚させられています(注1)。両者ともに、すでに戦争屋=CIAに籠絡されている日本の大手マスコミ(読売など)のスキャンダル暴露作戦で簡単に落とされています。ちなみに、読売・日テレは戦後間もなく、官営放送局NHKに対抗するため、CIA支援によって創業されたという経緯があります。

 NHKのワシントン・ロビー活動の失敗により、われわれ国民の受けた最大の被害は、われわれが払ったNHK受信料の一部をまんまと狡猾なワシントン・ロビイスト(たかり屋)にだまし取られた点、そして、まったく不必要な地デジを導入させられる結果、まったく捨てる必要のないアナログテレビ(全国1億台)を2011年までに捨てなければならない点です。喜ぶのは電機メーカーとリサイクル業者のみです(笑)。

6.政権交代で宙に浮く日高レポート

 さて、上記、日高氏はNHKを籠絡した戦争屋=CIA一派の忠実なポチに豹変ならぬ、犬変しているわけですが、こういう人にオバマ批判をしてほしくないです。彼は、オバマ政権誕生後、日本にて、オバマ政権と同調できる日本民主党政権への政権交代を阻止すべく、さまざまな親自民・親清和会・親戦争屋=CIAのプロパガンダ活動を行ってきました。日高レポートもその一環なのですが、彼の期待に反して、日本に民主党政権が誕生してしまいました。今回の日高レポートは、おそらく収録番組ですから、8月30日(歴史的政権交代の日)の前に収録・制作されたと思われます。

 一方、日本では鳩山民主党が圧倒的多数の国民の負託を受けて、東アジアの友愛(東アジア経済共同体)をスローガンにして船出しようとしています。その矢先に、あろうことか日高レポートは頓珍漢にも「北朝鮮爆撃計画」を取り上げるようです。

 今の日本で、このテーマを喜ぶのはネットウヨくらいでしょうか。オバマ政権は8月初め、クリントン元大統領を北朝鮮に派遣して、キムジョンイルとツーショットを撮らせています。オバマはすでにアンチ戦争屋の対北外交をスタートさせているのです。日高氏のボス、戦争屋エージェントはおもしろくありません。そこで、あの手、この手で嫌がらせをしているわけで、上記、日高ワシントン・レポートもそのひとつです。

7.時代の変化に鈍感な日本のブランド企業

 そのような視点で、この番組をとらえると、無神経に、頓珍漢な番組を放映しようとしているテレビ東京、無神経にその番組のスポンサーになっている有名ブランド日本企業関係者のセンスはいったいどうなっているのか、首をかしげてしまいます。この番組のスポンサー企業は8月30日の歴史的政権交代のシナリオを考慮せずに、スポンサー契約しているのだと予想されます。皮肉なことに、すでに、日高氏のハドソン研究所ゆかりのシナリオ戦略発想がまったくできていません(笑)。

 上記、地デジの宣伝に起用されていたタレント、草なぎ剛が六本木で暴れて警察に逮捕されたときは、彼をコマーシャルに起用しているスポンサー企業や総務省(当時、鳩山邦夫大臣)が即、反応して、彼はコマーシャル出演契約を即座に打ち切られています。しかしながら、日高レポート番組のスポンサーの反応は鈍い。いったいどうなっているのでしょうか。

注1:ベンチャー革命No.145『MOT論の視点からみたNHK会長辞任劇』2005年1月31日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr145.htm

注2:ベンチャー革命No.223『タミフルラムズフェルドの接点』2007年2月28日
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/mvr223.htm

注3:拙著『日米技術覇権戦争』(光文社、2003)、p85 絶版

ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm

テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html