銀行の社会的役割は終わっている? ga

銀行の社会的役割を歴史的に考察してみると、次の3段階ぐらいに分けられるのではないか?

?@戦費調達(銀行制度⇒中央銀行の成立〜世界大戦)
・現代に至る中央銀行の元祖となったイングランド銀行は、金儲けをしたいという金貸し(民間の金融組合)と軍事力を強大化したいという国家の利害が一致して、1694年に設立された。
・金貸しは、金の裏づけがある(金兌換)ということを信用の根拠にして(裏づけがあるかのように人々をダマして)、国家に代わって紙幣を発行する権限を手に入れた。(国家は税で収奪しても足りず、私募債を発行したが、私募債を踏み倒したので国民の信用を失っていた。)
・金貸しが紙幣を印刷して国家に貸すという仕組みを通じて、国家は莫大な軍資金を手に入れ、金貸しは国家を動かす支配力を手に入れるようになった。
・そのような仕組みによって、イギリスはフランスとの戦争に勝利し、その後世界中に戦争を仕掛けていった。帝国主義→植民地化を推し進め、国家が世界の覇権を握ることによって、金貸しはボロ儲けをした。
・つまり、銀行制度⇒中央銀行制度は、国家が戦費を調達するために設立されたのが発端である。(本質的に役に立っていたかどうかは怪しいが、国家の役には立っていた。)

?A市場拡大の活性役(近代(特に戦後)〜バブル経済の前)
・人々が貧しく、物的欠乏が強かった時代は、市場⇒生産力を拡大させて、豊かさを実現するのが経済の目標だった。
重厚長大産業育成の国家戦略のもと、銀行は企業に金を貸し、生産力を増大させてきた。
・他方、消費者金融を通じて、人々が求める大型の耐久消費材(家や車、大型家電等)の購買力を増大させた。
・つまり、銀行は実体経済(市場)を拡大させるための活性役を担っていた。(お金の余っている人から足りない人に、お金を融通させることによって、全体での生産力と消費力を活性化させた。)(豊かになりたいという人々の期待に応える役割を担っていたという点では、役に立っていたと言える。)

?Bバクチ経済の創出(バブル経済バブル崩壊〜現代)
・豊かさが実現されてしまうと、実体経済への融資(投資)先がなくなってくる。
・人々は金を借りてでも買いたいというモノがたいしてなくなってくる。
・基本的に金余り状態になる。そこで、銀行はバクチ経済へ舵を切り、様々な金融商品に投資してゆく。(バブル⇒バクチ化)
・その挙句が今日に見る金融危機であるが、実体上は全然必要のないものに投資するしかなくなっていったという点では、ほとんど役に立っていないと言える。

必要か否かというモノサシで、歴史的に俯瞰してみると、銀行が必要であるという絶対的(必然的)必要性は見当たらない。大局的に見て、銀行の社会的役割は終わっているのではないか?
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=203331 さん から