副島氏は新著『ドル亡き後の世界』に、改めて今回の金融危機の本質を

副島氏は新著『ドル亡き後の世界』に、改めて今回の金融危機の本質を詳述されている。6京円にまで膨張したデリバティブ金融商品。副島氏は「金融時限爆弾」が破裂する宿命を背負っている宿命を明晰に示される。


 世界の金融市場は政策当局の短期応急処置によって本年3月以降に小康状態を取り戻した。この小康状態を事態改善の第一段階と見るか。それとも、長期大崩壊のトレンドのなかでのあや戻しと見るか。この点が決定的に重要である。


 副島氏はこの点について明確な見通しを指し示す。生半可な分析では不可能な中期予測を精密な分析と深い洞察力に基づいて示されるのだ。


 米国経済の最大のアキレス腱は、米国が巨額の経常収支赤字を継続している点にある。米国の金融政策当局であるFRBは日本と同様のゼロ金利政策、量的金融緩和政策に踏み出している。FRBの資産健全性の大原則を踏みにじり、FRBのバランスシートは急激に大膨張した。


 いずれ、ドルの信認が根底から揺らぐことになるのは確実だろう。この点を副島氏はまったくぶれることなく、洞察し続けてきた。副島氏が予測をことごとくピタリと的中させる金字塔を樹立されてきた背景には、深い洞察力とその洞察力を裏付ける正確な国際政治経済金融情報を集積し得る「情報力」=インテリジェンスが存在するのだ。


 日本政府は2002年10月から2004年3月までの1年半に外貨準備を47兆円も膨張させた。外貨準備高は100兆円に到達している。しかし、この100兆円はそのまま巨大な為替リスクに晒(さら)されているのである。


 本ブログでは、日本の外貨準備の巨大リスクについて繰り返し警告を発し続けてきた。100兆円の外貨準備、政府保有米ドル建て米国国債を、為替損失を実現しないように日本政府は売却するべきなのである。日本政府が100兆円のドル建て米国国債保有したままドル暴落を放置することは、日本が米国に100兆円を贈与することにほかならない。


 橋本龍太郎元首相が米国国債売却を示唆する発言を示し、米国の激しい攻撃に直面した。中川昭一財務相も米国に隷従する形での資金供給にNOのスタンスを提示した。副島氏は私との共著『売国者たちの末路』においても指摘されたが、中川元財務相のイタリアG7での失脚事件、先般の逝去について、重大な疑問を提示されている。


 『月刊テーミス』2009年11月号は巻頭の特別レポートに、


中川昭一元財務金融相「変死」にちらつく米国の影」


と題する興味深い論考を掲載している。


 副島氏の新著『ドル亡き後の世界』は、現代国際政治経済金融に関心を有するすべての国民必読の書である。マスメディアが一切報道、解説しない重大な事実が読者に分かり易く丁寧に解説されている。


 副島氏の予測通りに金価格は上昇の一途を辿ってきた。副島氏の洞察力の質の超然とした高さは、歴史の現実が確実に証明しているのである。2009年の年末を飾るにふさわしい素晴らしい著書が出版された。一人でも多くの国民にこの新著を読んでいただきたいと思う。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-5fd2.html
全国民必読の副島氏新著『ドル亡き後の世界』
神州の泉』主宰者の高橋博彦氏が昨日11月6日付記事


副島隆彦氏の新刊「ドル亡き後の世界」を読んで!」 に、副島隆彦氏の新刊 『ドル亡き後の世界』(祥伝社   さん より
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