【 】 ●「日本は財政危機ではない」(EJ第3118号)

【 】 ●「日本は財政危機ではない」(EJ第3118号)
 ●「日本は財政危機ではない」(EJ第3118号)
 今まで日本の財務省は、長期にわたって日本の財政がいかに危機的な状態にあるかを国民に印象づけてきています。 したがって民主党が国民に約束したマニュフェストの目玉である「子ども手当」を事実上降ろしても、国民にはあまり怒りがなく、子ども手当廃止の是非を世論調査で聞いても、賛成が反対を大きく上回っています。
 実際に子ども手当が廃止されて、大きなマイナスになる世帯に聞いても「国の財政が厳しいときであるから仕方がない」という殊勝な返事が返って来るのです。 こんなことをいう国民はおそらく世界中で日本人だけだと思います。 これは、財務省の洗脳が国民の間にいかに浸透しているかを示しています。 
 これはとても恐ろしいことです。 かつての戦争もこういう国民への洗脳によって引き起こされているからです。 日本人は昔から「官」に弱く、お上のいうことは正しいと素直に信じてしまう傾
向があるのです。
 結論からいうと、「日本は未曽有の財政危機にある」というのは財務省のウソです。 財務省
もちろん本当のことを把握していて、それらの情報をコントロールし、増税に世論を誘導しようと
していますが、民主党は、首相をはじめ、現政権の閣僚や執行部がどれほど本当のことを理解しているのか、非常に疑問に思います。 少なくとも菅首相は日頃の言動から、経済のことはまったくわかっていないと思います。 この財務省のウソについて、EJでは、いろいろな角度から実証していきたいと思っています。
 2010年2月のことです。 5日からカナダ・イカルウィットで開かれたG7で、菅副総理・財務相(当時)は日本の財政赤字について何か問われるのではないかとすごく心配していたというのです。なにしろ、日本はGDP比でギリシャよりも財政赤字を積み上げているので、ギリシャのようになりかねないと菅氏は本気で心配していたようです。
 これについては、「極東ブログ」の2010年2月9日付の記事からご紹介することにします。このブログでは英和対比による解説があり、詳しくはブログを参照願います。
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 ≪極東ブログ
 http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/02/post-62ee.html
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 2010年2月8日付のフィナンシャルタイムズ紙の社説は、日本の財政赤字について、次のように論じています。
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    Japan’s debt woes are overstated
    日本の財政赤字問題は深刻に悩まなくてよろし
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 フィナンシャルタイムズ紙は、日本はギリシャのように債務不履行にならないとして、その理由を次のように書いています。
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 1.債務の全体が誤解されやすい。日本国の債務は、国の保有分を相殺すれば、GDPの100%以下になる。
 2.日本の国債償還費は低く、GDPの約1.3 %。 対するに 米国は1.8%、英国は2.3 %、イタリアは5.3 % 。
 3.日本の財政には遊びの余地がある。 消費税はわずか5%にすぎない。
 4.日本の債務の95%は国内で消化されている。 外国人が気まぐれに影響を与えることはできない。
  以上の4つを上げて、結論として次のように書いています。
 つまり、日本の問題は依然貯蓄の過剰にある。 日本の銀行には預金がじゃぶじゃぶしていて、投資先が必要になっている。 しばらくの間は、日本政府が国債の安定した買い手を探すことに
 はならない。 日本の財政赤字問題は、お家の都合で解消されうるものだ。
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 フィナンシャルタイムズ紙といえば、1888年創刊で、発行部数44万部、世界140ヶ国、のべ150万人が読む世界最高峰の国際経済紙です。 そこにはっきりと「日本の財政は心配する
ことはない」という記事が出ているのです。
 もちろん、膨大な債務に見合う債権があるとはいえ、財政赤字があまりにも多いのは、褒められたことではありませんが、多くの日本人が財務省のキャンペーンによって信じ込まされている事
実とはかなり異なるのです。そんなことは、世界では常識に属することです。知らないのは日本人だけです。  ちなみに、フィナンシャルタイムズ紙の記事には、解決の処方
箋まで付いているので、その一部をご紹介します。
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 日銀、仕事をしろよ。 日銀は国債買い上げをして、その分市場に貨幣供給ができるのだ。日本の財政状況は見た目ほどには悪くはないのだから、もうちょっと名目成長率を上げれば、全体
 の見た目も大きく改善できる。──フィナンシャルタイムズ紙
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 もし、日本の財政が本当に危機的であれば、米国債の格付けが下がったからといって、世界が円を買うはずはないのです。 それにしても、政府(財務省)も日銀は、なぜ本気で事態の解決に動かないのでしょうか。
 「失われた10年」といっていましたが、いつのまにか「失われた20年」になり、このままでは「失われた25年」になってしまいます。 なぜ、いつまで、デフレをそのままにしておくつも
りでしょうか。 そうしておいて増税とは経済に対してどういう考え方をしているのか理解できません。
 民主党の政治家はよく勉強していると思っていたのですが、一部の議員をのぞいてどうやら経済には弱いようです。 しっかりと勉強して欲しいものです。  ── [日本の政治の現況/44]
≪画像および関連情報≫
 ●「失われた20年」/関連ブログ
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  このブログで何度も書いてきたように、デフレ不況から脱却するために有効な政策を発動できるのは政府・財務省(財政政策)と日銀(金融政策)のみである。個別企業や個人の合理的な努力は無力なのだ。 にもかかわらず、日本はこの20年間、財政支出の拡大が必要な時には「財政再建」を目指して増税・歳出削減を行い、また、ようやくインフレ率がマイナスからプラスへ転じ
ようとすると金融引き締めを行いデフレに引き戻すという、信じられないような財政政策と金融
政策を繰り返してきた。その結果が「失われた20年」であり 「失われた3200兆円」なのである。
     http://philnews.seesaa.net/article/155723935.html
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・・・ http://electronic-journal.seesaa.net/article/219780629.html   サン ヨリ

【 】 菅総理に告ぐ!このままでは野垂死に?郵政民営化見直し法案審議進展ないなら与党であり続けるはずはない?亀井静香月刊日本
・・・ 
日本人の心の復興につなげる………亀井
 ── 東日本大震災から早くも4カ月が経過した。復旧・復興が遅々として進まない状況下にあって、首相特別補佐官に就かれ、就任早々、被災地を祝察された。
 この大震災をどう受止めておられるのか。
亀井 この大震災による悲惨なまでの苦難・苦悩は、まず政治家が先頭に立って、身に引き受けなければならなかった。
だが、政治の不作為・怠慢の結果、東北の人たちが未曾有の震災による苦難・苦悩を一身に背負ってしまうことになった。 大変申し訳ないという思いで一杯だ。
 ここ十数年来、我が国では、自分さえ豊かになればそれでよしとする弱肉強食の米国流新自由主義が横行して、家族や地域共同体が崩壊し、本来持っていた日本人の魂を失ってしまった。 私は、魂なき日本国民は、この大日本豊秋津島に住む資格などないと言ってきたが、今回の大震災は、こうした日本人に対する天の警告と受止めるべきだと考えている。
 謙虚に、そして虚心遡懐にこの警告に耳を傾けるべきだ。
・・・ 被災地の時計の針は止まったままだ………亀井
亀井 今回、菅総理から就任の要請があったが、副総理はお断りした。しかし、首相特別補佐官という場を与えられた。  縦横無尽に走り回り、災害復興が日本人の心の復興につながるような、根源的な意味での復興に取り組みたい。
 今回現地に行って驚いたことは、震災一カ月後の4月13日に被災地を訪ねたときと復旧状況はほぼ同様、作業は遅々として進捗していない。被災地の時計の針は止まったままだ。
全力を尽くして、迅速・適切な対策を次々に打ち出さねばならないと、痛感した。
 帰京後、早速菅総理に「被災地の人たちが、今後どう生きていこうとしておられるのか、どうしたいのか。それを地元市町村と一緒に、復興対策本部がしっかりと掌握した上で復旧・復興対策を立てなければ、砂上の楼閣になる。復興構想会議が有識者の意見をいくら集めても、被災地の人の肉声を聞き、被災者のニーズを的確に把握できなければ、本当の復興にはならない」と報告しておいた。
 また、復興対策本部の事務局長に対しても「復興計画を立てるに当っては、国交省OBの中から、ダム建設や道路拡張に当って、住民から希望や意見を聞くのに慣れた連中を一時的に採用して、地元自治体の長と一緒になって、まずは地元の要望をしっかり把握すること。ものごとは、そこから始まるんだ」と指示した。
大胆な復興のグランドデザインを作れ………亀井
・・・  http://www.asyura2.com/11/senkyo117/msg/771.html   サン ヨリ

【 】 天皇家イルミナティ「李家」に預けていた財宝
 ◆民主党が代表選ムードを強めている。菅直人首相が退陣意向を濃厚にした発言を繰り返しているからである。だが、伸子夫人が、「辞めないで欲しい」と強く押し止めていると言い、菅直人首相は躊躇しているものと見られている。
・・・ しかも、最もおかしいのは、支持と協力を要請する相手である小沢一郎元代表の「党員資格停止処分」の解除を党執行部に求める声すら上げようとはしていない連中ばかりである。「座敷牢」に閉じ込められている小沢一郎元代表を救い出そうとする言動を少しもしないで、自分が代表=総理大臣になることばかりを考えて、そのことのみに専念しているのだ。自分さえよければ、他人のことはどうでもいいという我利我利亡者ばかりなのである。現代っ子が、いかにドライとはいえ、「それはないぜ、ベイビー」ということだ。いかにお人よしの小沢一郎元代表と言えども、さすがに呆れ顔である。
小沢一郎元代表は、座敷牢にいて代表選の投票権もないのに、立候補予定者から支援要請を受ける不可思議  
・・・ 16人は、小沢一郎元代表が、党員資格停止処分を受けたことに反対して、民主党籍のまま民主党会派を離脱して、新会派を結成したうえに、平成23年度予算案の衆院採決を欠席したため、グループ代表の渡辺浩一郎衆院議員は6カ月の党員資格停止処分、残り15人は厳重注意処分を受けている。9月8日までに代表選があれば、やはり投票できない。 ◆なお、夕刊フジが8月12日付け紙面(1〜3面)で「民主代表選 小沢・鳩山 隠し玉スッパ抜き 松野頼久官房副長官」という見出しをつけて、報じている。元々、鳩山派だが、いまや小沢一郎元代表に信頼が厚く、側近とみなされているだけに、単なるダークホースから本命中の本命になる可能性が大である。 
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」 天皇家イルミナティ「李家」に預けていた財宝(金塊)が、東日本大震災の復旧復興に努める日本と経済ピンチの米国を救う ◆〔特別情報?〕 フリーメーソンイルミナティ情報(ニューヨーク発)によると、台湾に拠点を置く「李家」が、日本の天皇家から預かっていた財宝(金)を隠し場所から引き出して、日本に
向けて送り始めているという。その規模はなんと、「16京円相当の金塊」と言われている。
http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken/e/3ea61d12446a9c8b9bdbb9491edf688a?fm=rss サン ヨリ

【 】 2011年株式市場クラッシュ?
 アメリカ国債が格下げされたことで、いよいよアメリカ経済に暗雲が濃くなってきた。連邦政府の債権の格下げということで地方自治体の債権も格下げが始まっているようだ。このような連鎖反応がどれほどの悪影響を及ぼすものなのか、計り知れない。

 これと相まってヨーロッパも、例えばフランスの国債格下げなども語られる時期に来ている。他国の負債をしょい込むリスクである。またイギリスでは今回の騒乱が相当なダメージを国家に与えるであろう。

 このブログでは2008年10月22日号「金融崩壊が進むアメリカとその「分裂」の可能性」で、アメリカの株式市場の閉鎖の可能性を指摘したが、起きなかった。しかし今この2011年ないしは遅くても2012年にはそのような事態が出来する、と考えるべきであろう。

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●2011年株式市場クラッシュ?
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-stock-market-crash-of-2011
【8月11日 The Economic Collapse】

 株式市場はどこまで下がれば正式にクラッシュといわれるようになるのだろうか?ダウは過去14日間の取引日で2000ポイント下げた。それで我々はこれを「2011年の株式市場クラッシュ」と呼べるだろうか? 今日はダウは519ポイント下げた。昨日は連邦準備制度理事会
・・・  ROCKWAY EXPRESS  http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/610/   サン ヨリ

【 】 1ドル76円、まだまだ「円安」
・・・  ドルの信認低下、ユーロ危機、アメリカ国債の格付け低下により、日本の円が買われ、円高が進行し、過去最高を更新しようとしている。
 過去、円がもっとも高くなったのは、1995年の75円であるが、これを実効実質為替レートで見ると、様相は異なってくる。
 実質実効為替レートとは、各国の物価の変動を考慮に入れ(実質)、貿易相手国の通貨価値とその取引割合も勘案した(実効)為替レートのこと。

「日銀レビュー」より引用(http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2011/rev11j01.htm/ )
 対外競争力を測るうえでは、単に名目為替レートの動きだけではなく、各国の製品価格の
変動を考慮に入れた実質為替レートを用いる方が望 ましい。 また、グローバル市場全体
での競争関係をみるためには、単一通貨だけではなく、複数通貨の動きをおさえた実効為替レートを用いる必要がある。
 実質実効為替レートは、この両点を勘案しているため、円ドル・レートといった単一通貨の
名目為替レートよりも、対外競争力を適切にあらわしている。 実際の計算にあたっては、
実質化、実効化の両面で様々な論点があるが、現在日本銀行が用いているBISベースの
実質実効為替レートは、重要な要件を比較的よく備えているといえる。 しかし、実質実効
為替レートを用いて競争環境を過去と比較する際には、単純に水準の高低を比べるのみ
ならず、急激な変化の有無、経済情勢の違い、自国及び競合国の経済構造の変化、推計
誤差などにも留意する必要がある。

2011年6月までの実質実効為替レートのグラフ
( http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5072.html   )
 このグラフをみると、1995年の1ドル=75円の突出振りが際立つ。 1985年のプラザ合意
よりも、輸出競争力においては大きなインパクトがあったことがわかる。
 この指標に基づけは、現在の超円高局面でさえ、1995年当時に比べれば、3割以上の円”安”となる。 逆に1995年と同程度の水準になるには、現在ならばば、50円台まで上昇する
ことになる。
 これが示唆することはいくつかあるが、ひとつは、円高が60円どころか50円台まで進行
する場面も決しておかしくはないこと。
 そして、もうひとつは、国内のデフレが慢性化しているという事実である。 日本が失われた
10年、15年を過ごしてきた間、諸外国では物価も賃金も上昇し、それだけで実質為替レートは、一方的に円安に振れてきたのである。

逆に言えば、国際的な通貨市場で決定される円高に企業も政府も拮抗し得ないならば、労働者の賃金を徹底的に抑制し、国内の物価水準を慢性的なデフレ傾向に押さえ込むことで、日本の輸出競争力を延命させる戦略を、政府・日銀・経団連(実態は輸出企業の寄り合い)の談合連中が採用しているということであろう。 
  サン ヨリ

【 】 ポスト菅の政治課題
・・・ 「支持率が下がったため」とか「特例公債法案が成立の見通しになったから」と、菅総理の「急な心変わり」を解説するが、そもそも「解散」など出来るはずはなく、メディアは「虚勢」を見抜けなかっただけである。これで真夏の夜の夢は消え、選挙は2年後の衆参ダブルが濃厚となった。
 前々回も書いたが「解散、解散」と騒いでも、現在、衆議院の「1票の格差」は2.44倍で09年の衆議院選挙時の2.3倍をさらに上回っている。 その09年の衆議院選挙を最高裁は「違憲状態」と判断し是正を求めた。 次の選挙までに定数是正は避けられない。 一方の参議院も「1票の格差」は5倍を越えており、13年の選挙までに是正は絶対条件である。
 しかし私の経験によると、定数是正は党利党略、個利個略が絡み合い、とても一筋縄ではいかない。 大いなる政治力と知恵が必要になる。 それが2年以内に成し遂げなければならない政治課題である。 そして当然ながら震災からの復興は待ったなしの急務である。
こちらは挙国一致体制を築けるかどうかが勝負である。
 未曾有の災害に見舞われた時、政治リーダーは与野党を問わず危機に精通する政治家や現地に精通する政治家の知恵を集め、縦割りの行政機構をいかにまとめ上げるかの手腕が問われる。 ところが手柄を独り占めしたかったのか、菅総理は「お友達」だけで危機に対応しようとした。
 原発事故では法律によらない組織を作り、何をどうしているのかが外から見えない。 国民のパニックを恐れてか情報は後手後手に回る。 敵も味方もなく有為な人材を使いこなす政治的度量が見えず、自民党総裁にポストをちらつかせて協力を求めるなど逆に関係を悪化させた。 それらのすべてが「菅おろし」を招く事になる。
 しかし日本には「ころころ総理が代わるのはもう沢山」、「大震災の時に政争をするな」という国民感情があり、仕掛ける側は返り血を浴びる覚悟を要した。 それでも状況を変えなければ復興は遅れるという意識が与野党に芽生え、それが尋常ではない「菅おろし」となった。     そう考えると第三次補正予算を組んで復興の道筋を作るのは民主党政権と言うより挙国
一致の体制で行なうのが筋である。
 そして挙国一致は必ずしも民主党自民党との大連立を意味しない。 「菅おろし」の理由が政治リーダーとしての政治技術の未熟さにあるのなら、民主党自民党の双方が受け入れ可能な人物で、期間限定で総理をやった後に権力に固執したくとも出来ない小勢力から政治力のある人間を担ぐ構想もありうる。 例えば民主党と小政党が連立を組み、その小政党から一時的に総理を出す方法である。
 メディアは近く予定される民主党代表選挙だけに注目し、顔ぶれや争点をあれこれ想定しているが、ここで選出される新代表は菅総理の残りの任期となる来年9月までを務めるに過ぎない。 来年9月には党則による代表選挙が再び行なわれ、その時は今回と異なり一般党員も参加する本格的な選挙になる。 従って今回はいわばつなぎの代表を決める選挙である。その代表が来年以降も継続するか交代するかはまだ分からない。
 復興の次の課題は先ほど触れた定数是正である。 それが政治力を要する事も説明した。従って来年以降の民主党代表にはそれをやり切る政治力が必要となる。 そして1票の格差が是正され選挙の実施が可能になった時、想定されるのは衆参ダブル選挙だが、それが09年のように再び民主党自民党とが雌雄を決する事になるのかが問題である。
民主党にはよくよく分かったようにマニフェストを巡る党内対立があり、自民党にも民主党と同様に党内対立が内在する。 そして既に政界再編を想定し自民党を離れた小勢力もいる。来年までは震災対応で一致協力するが、その目途がつき選挙を意識するようになると諸勢力は核融合核分裂によって次第に二つの潮流に収斂していく。 軸が何になるかはまだ鮮明でないが、小選挙区制が維持される限り、軸は二つに収斂する。
 この状況は07年に民主党の小沢代表が自民党の福田総理に大連立を呼びかけた時と似ている。 あの時、メディアも民主党も国民も全くその意味を理解せず、大連立をひたすら「大政翼賛会」と非難した。 まるで民主主義がなくなるかのような口ぶりだった。 しかしその非難した連中が今ではこぞって大連立を是認している。 まるで軍国主義が一夜で民主主義
に変わったような恥知らずぶりである。
 07年に小沢氏が大連立を画策したのは、まさに小選挙区制による二大政党制を確立するためだったと当時私はコラムに書いた。 当時の民主党参議院選挙で勝利をし、衆議院選挙での政権交代が目の前の状況だった。 しかし残念ながら当時の民主党には政権を担当するだけの政治的技量がない。 権力の座に就いた経験がないのだから仕方がなかった。
 そのまま政権の座に就くと霞が関に翻弄され、アメリカに試されて収拾がつかなくなる可能性がある。そして民主党には自民党と同じく党内に政策的な対立がある。そこで大連立が画策された。民主党の若手議員を入閣させ、霞が関の内側を知らしめると同時に、権力のパワーゲームの阿吽の呼吸を覚えさせ、同時に自民党と合流させて政策的に近い者同士を融合させる。
 衆議院選挙が近づけば、自民党民主党とを改めて「ガラガラポン」して、二つの対立軸に収斂させる。 その二つが戦えばこれまで以上にすっきりした二大政党になる。 あの時の
大連立構想を私はそう見ていた。 しかし周囲の大反対で構想は頓挫し、経験のない政治家たちが権力の座に就き、それが今日の結果を招いた。
 目の前の震災復興で全政治勢力が協力体制を組み、その後否応なく選挙を意識する定数是正によって改めて二つの政治潮流が作られる。 それがポスト菅の政治課題であり、政権交代を積み重ねていくためには必要な事なのである。
・・・   (田中良紹の「国会探検」)
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2011/08/post_271.html   サン ヨリ