【 さらに、「大きな問題点」として、「巨大企業の税負担が極端に軽

【 さらに、「大きな問題点」として、「巨大企業の税負担が極端に軽いこと」とし、グローバル化の中で「国際課税の欠陥により、多国籍化した巨大企業が世界的スケールで税逃れをし、税源を海外流失させ」「結果として、日本の財政は税収減を生じ、歳入調達機能を著しく喪失して、財政赤字の元凶となっている」と指摘する。】
【】 「「税金を払っていない大企業リスト」文藝春秋、「消費税10%なら大企業は6兆円のボロ設け」日刊ゲンダイ」  
  http://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/4668409.html

文藝春秋】「税金を払っていない大企業リスト」と【日刊ゲンダイ】「消費税10%なら大企業は6兆円のボロ設け」(TABIBITO )
2012/4/11(水) 午前 0:15
 本日発売の「文藝春秋」5月号の、中央大学名誉教授・元国税庁職員である富岡幸雄氏の「税金を払っていない大企業リスト──隠された大企業優遇税制のカラクリ」は、注目すべき小論文だ。
 筆者の富岡幸雄氏は、1925年3月20日山梨県生まれ。中央大学名誉教授。日本の租税学者で文芸評論家である。1950年中央大学法学部卒、同大学院商学研究科修士課程修了後、国税庁、大蔵事務官、国税実査官を経て中央大学商学部教授となった。放送大学客員教授通商産業省中小企業承継税制問題研究会座長、政府税制調査会特別委員など数々の役職を歴任し、税や会計に関する著作も多い。

 1987年の中曽根内閣の売上税導入の際には、同じ「文芸春秋」(1987年3月号)で「税金を払わない大企業リスト」を発表し、9大商社のうち7社が大きな利益を計上しながら法人税を払っていないなど、日本を代表する企業が法人税を払っていなかったことを明らかにし、この記事が反響を呼び、売上税への反対世論を喚起し、廃案に追い込むきっかけになったとも言われる。

 富岡氏は、今の国論を二分する消費税増税論議の中で「日本の税制に存在する欠陥が見過ごされている。見過ごすには大きすぎる欠陥であり、この穴をふさぐことで、消費税増税論議は、新たなステージに進むことになるだろう」と述べている。
 その欠陥とは、「大企業や高所得者の資産家に対する優遇税制」にあるという。
 日本の法人税は、表向きは「国税である法人税率が30%」「地方税の法人住民税、法人事業税、地方法人特別税を合計した『法定実効税率』は、40.69%」で、外国に比べ「高い法人税率」だと言われ、そうした批判を受けて、2012年4月から38.01%、2015年4月から35.64%と軽減されることになったという。
 しかし、「税額は『課税ベース×税率』で加算されるので、現実は課税ベースである課税所得は、「タックス・イロージョン」(課税の侵食化)や、「タックス・シェルター」(課税の隠れ場)により縮小されて、実際の納税額は軽減されている」と富岡氏は述べる。

 さらに、「大きな問題点」として、「巨大企業の税負担が極端に軽いこと」とし、グローバル化の中で「国際課税の欠陥により、多国籍化した巨大企業が世界的スケールで税逃れをし、税源を海外流失させ」「結果として、日本の財政は税収減を生じ、歳入調達機能を著しく喪失して、財政赤字の元凶となっている」と指摘する。
 また、「企業が実際に負担する法人税額の軽減は、法定税率より、企業利益相当額に対する法人税納付額の割合=「真実実効税率」によって導き出されるべきだ」としてその実態を明らかにしている。

「真実実効税率」でみれば、「資本金100億円以上」の巨大企業の負担水準が最も低く、わずか15〜16%の低水準で、法定税率(30%)の半分のレベル。 逆に、「資本金5000万円〜1億円未満」の中小企業は、最も高い負担水準にあり、28%〜29%。中小企業が限りなく法定税率に近いのは、税逃れの温床である海外展開が、中小企業には難しいからだという。
 
そして次のように述べる。
「高いとされる日本の法人税を、ほぼ法定税率通りに払っているのは、グローバル展開している大企業ではなく、黒字を出した中小企業なのである。 日本の法人税の現状は、『巨大企業が極小の税負担』で、『中小企業が極大の税負担』となり、企業規模別の視点では『逆累進構造』となっている。
 こうした不公平が生じるのは、課税ベースである課税所得が政策税制や法人税制の仕組みの欠陥に加えて、税務会計システムのメカニズムなどによりゆがめられているからである。」
 私は、さっそく、知り合いの中小企業経営者にこの小論を読んでもらった。 「そうなんだよ。 われわれ中小は、苦しい中でがんばればがんばるほど税金を持っていかれる。 何も抜け道はないんだ。 一方、大企業は、抜け道がいっぱいあって、儲けに比べて負担は少ない。 おまけに、われわれは、大企業から、どんどん買い叩かれているんだから、三重苦だよ。」と言っておられた。

小論では、「真実実効税率」の実態について、富岡氏の専門家らしい説明で、具体例を挙げている。
「日本の大企業は、喧伝されているより驚くほど安いレベルの税金しか払っていない」と指摘する。
 大企業に有利な法人税制の例として、株の配当が課税所得から除外されることをあげる。 現在の法人税制は、企業が他社の株式を持っていても、その受入配当は益金に参入しないでもよいとする「受取配当金の益金不算入」という措置を設けている。 
 配当金収入が、会計上は収益として計上されながら、税務上は益金に算入されず、課税所得を算出する際、除外される。

このように、「高い法人税」には、大企業にはいくつもの抜け道と、優遇措置があったのだ。
これらはほんの「氷山の一角に過ぎない」として、法人税課税ベースを下げている要因を列挙し、8つの項目をあげている。
 こうした、大企業への課税ベースの低減によって、何が生まれているか。 景気後退で経済が低迷し、従業員給与が減少し、法人税収額も下がっているにもかかわらず「企業の内部留保金額は急増している」という。 とくに、資本金1億円以上の大企業では、1986年に120兆円だったものが、2007年には350兆円と、3倍に増え、それが現在も維持されているのだ。
 同時に、「企業の社会的役割」ということで、「法人税減税の支払い」とともに、「社会保険料(事業主負担)の支払い」と、国民性巣活の基盤である「賃金の支払い」についても企業が担っていると述べ、企業の社会的負担の大きさは、法人税・法人住民税という法人に対する所得課税と社会保険料(事業主負担)に、賃金支払いを加えた負担のレベルで測定すべきだと指摘。 それにもとづいて「企業の社会的負担」を国際比較すると、その比率が最も高いのがデンマークで、スゥエーデン、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカと続く。 日本の企業は最低のレベルだ。

然し、経団連は「日本は企業の負担が重い」とばかり言っているのだ。
 そのことに関して富岡氏は、「日本の企業の付加価値の配分がおかしくなっているとしか思えない。 従業員への賃金は上げず、国にもあまり税金を払わず、ひたすら株主への配当と内部留保の増大に狂奔している」「この風潮は『企業は株主のもの』『経営者の義務は、株主への還元の最大化』というアメリカ型の思想に、経営者と一部の商法学者・会社法学者・会計学者がかぶれているからだろう」と厳しい。
そして、「企業は、従業員や消費者、地域社会とも深いかかわりをもつ『社会的存在』としての企業の本質と使命を忘れてはならない」と述べている。
まったく同感である。

消費税は何に使われたのかという問題については、消費税導入の1989年度から2011年度までの23年間で、消費税の国税分が191兆5377億円。
一方で、法人税は、1989年度をピークに減少し、減少額の累計は、2011年度までに153兆759億円。 所得税の、年所得2000万円越の高所得者の減収が2兆円程度と試算され、23年間の累計は46兆円となる。
法人税の減収の累計と、年所得2000万円超の高所得者の減収の累計を合計して199兆円となり、
この額は、落ち込んだ法人税額の合計とほぼイコール。なんということはない。
増税分はそっくり大企業と富裕層のための減税に充当されたかたちだ。

欠陥税制を改革して、財源を確保するために、?大企業の内部留保金を復興債に、?公開大企業の「受取配当金無税」の廃止を、?個人所得税の見直し──の緊急提案をしている。
その中で、たとえば「証券優遇税制」による税収漏れは、年約1兆円。 また、1984年から7回にわたって、高所得者に適用する最高税率を75%から40%まで引き下げ、累進性のきざみを19段階から6段階に減らす減税が行われた。 個人所得税の累進税率のフラット化で、年収2000万円超の高所得者は、1984年に比べて年5000億円以上の増収効果を享受しているという。
これらの、高所得者の減税優遇措置を廃止すれば、年1兆5000億円の税収回復が可能になるという。

最後に、日本の財政が危機的であることに異論はないが、しかし、本当に消費税増税しか手段がないのかと問いかけて、次のように締めくくっている。
社会保障の基本理念は、『所得再配分』、『富の再配分』である。 それなのに、社会保障の財源として、『逆進性』の強い消費税に頼ることは、弱いものいじめになる。 
むしろ、負担能力に応じて支払う税本来の理念からすれば、これまで述べてきた
法人税、も個人所得税の適正な課税を財源にして、社会保障の充実、財政再建を果たすべきではないだろうか。」

詳しくは、そのものをぜひ読んでほしいが、富岡氏の解明と提案は、財政危機と、税・社会保障の打開策を検討する際の最も根本的な問題について世に投げかけたものとして注目すべきだと思う。

もうひとつの注目記事は、本日(4月11日付)の「日刊ゲンダイ」で、「還付金の欠陥──消費税10%なら大企業は6兆円のボロ儲け」と題して、元静岡大学教授で税理士の湖東京至氏のインタビューを載せている。

増税で潤うのは大企業だけ」としてその“カラクリ”のひとつが「輸出企業への還付金制度」であるとしている。 輸出企業には、国内の部品仕入れ段階などで発生した消費税を国が後で戻す仕組みとなっている。 輸出分の税率はゼロのため、輪出割合が高い大企業ほど、仕入れ段階の税額と還付金の逆転現象が起きる。
政府の予算書では、こうした還付金は約3兆円(10年度)あり、消費税の総額(約12兆5000億円)の約3割に上るという。「仮に10%に引き上げられれば還付金は単純計算で6兆円にも達する」のだ。
 こうした輸出企業の会社を抱えた税務署は徴収する消費税よりも還付金の方が多く「赤字」となっており、「トヨタ本社がある愛知の豊田税務署は焼く1150億円の『赤字』です。 税務署はトヨタに毎月、200億円近くを振り込まなければならず、遅れると巨額の利息が付くので大変です」と述べ、「還付金制度を廃止するだけで3兆円の増収になります。 増税なんてとんでもない話で、消費税自体を廃止するべきです」とまで湖東氏は述べる。

 「文藝春秋」の小論文も、「日刊ゲンダイ」の記事も、大手メディアでは残念ながらお目見えしない中身だ。 それどころか、相変わらず「日本は財政破たん」「高齢者を3人で1人が1人で1人ささえなくてはならなくなる」「現役世代の負担が大きくなる」──「だから消費増税が必要」と毎日のように宣伝している。 財界や大企業か、財務省か、どなたが増税シナリオを書いていらっしゃるのかわからないが、消費増税10%は、それこそ日本経済と国民の暮らしの破滅へのシナリオだ。

どの世論調査も消費増税に反対が6割で、本日10日付「読売」の世論調査も、ほぼ同じで、賛成35%、反対57%という結果であった。
世論が「おかしいぞ」と言っていても、大手メディアが首根っこを捕まえられて、「増税推進」でしか報道しかできないなら、自由なインターネットの世界で、そして、街で、地域・職場で、「消費税増税が本当に必要なのか──」ということを、お互いが意見を延べ、発信しあってはどうだろう。 消費増税はすべての国民が影響を受けるが、特に若い人たちの雇用や生活を直撃するのだ。
 ぜひ、日本経済再建と消費税増税論議が活発に行われ、「新たなステージ」に進むことを心から期待したい。
・・・  http://sun.ap.teacup.com/souun/8417.html   さん より

【 とにかく、検察がまともに捜査をしてくれないので、あたくしたちが調査をしていたのでございます】
【】 田代政弘元検事不起訴処分に対する審査申立実現


 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が不当に強制起訴された陸山会事件で虚偽のねつ造した捜査報告書を検察審査会に提出したことなどで、虚偽有印公文書作成容疑などで刑事告発された元東京地検特捜部の田代政弘元検事に対する最高検の不起訴処分(容疑不十分)に不服があるとして、市民団体が8月23日、東京第1検察審査会に審査を申し立てた。

最高検が田代政弘元検事などに対する不起訴処分を決定したのは6月27日のことだ。 それから2ヵ月の時間が経過した。 日本の警察・検察・裁判所制度の前近代性を示す、重大事案であるにもかかわらず、2ヵ月の時間が経過するなかで、ことの重大性は忘れ去られ、世の中はなにごともなかったかのような空気に包まれるようになる。

消費増税問題、原発再稼働、TPPなどの重要問題も同様である。

国民的な大論議になりながら、時間の経過とともに問題が風化され、人々が問題の重要性を忘却し始める。

国民の意向を無視してものごとを強引に推し進める権力者にとっては、この時間の経過による風化こそ、何者にも代えがたい貴重な天の恵みということになるのだろう。

逆に言うと、ものごとが不正に決められてしまうことに対して市民が、粘着力を持って、最後の最後まで食い下がる執拗さが大切なのだと思う。

 このたび、田代元検事、佐久間検事、木村検事に対する最高検の不起訴処分を不服とする検察審査会への申し立てが行われたが、このような市民の行動が現状を変える原動力のひとつになる。

八木啓代さんが代表を務める「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」がこの行動を実行された。 http://shiminnokai.net/ 

八木啓代さんのブログにこのことについて次のような書き出しで報告を示された。

「お待たせいたしました。
すでに各種報道でご存じでしょうが、昨日、午後4時、田代政弘元検事を虚偽有印公文書作成及び行使と偽証、さらに、佐久間元特捜部長と木村検事を虚偽有印公文書作成及び行使の共犯容疑で、検察審査会に申立を行いました。
  不起訴裁定が6月の27日のことですから、いくらそのとき八木が北極にいたからといって、なんぼなんでも2ヶ月は時間かかり過ぎじゃないかと思われた皆様、済みません。

 この申立書と全証拠資料のボリュームをご覧になったら、納得していただけると思います。」

市民の会は、この事案に関する綿密な分析、検討を加えたうえで、膨大な関係資料を添えて検察審査会に審査申し立てを行ったのである。

市民の会が提出した資料は以下の通り。

審査申立書 http://shiminnokai.net/doc/moushitate_tashiro.pdf

「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」
http://shiminnokai.net/doc/besshi_ronkou.pdf 
「別添資料1 田代報告書と石川議員反訳対照表」
http://shiminnokai.net/doc/shiryou01.pdf 
「別添資料2 実際の取調べ状況対照表」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou02.pdf 
「別添資料3 最高検報告書対照表」
  http://shiminnokai.net/doc/shiryou03.pdf 
「別添資料4 田代報告書及びインターネットに流出した計7通の報告書」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou04.pdf 
「別添資料5石川議員録音反訳書」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou05.pdf 
「別添資料6 石川知裕氏回答書」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou06.pdf 
「別添資料7 東京地裁決定が認定した平成22年5月17日の取調べ状況(決定要旨2〜5頁)」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou07.pdf 
「別添資料8 東京地裁決定が認定した勾留中の取調状況(決定要旨7〜13頁)」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou08.pdf 
「別添資料9 平成24年4月26日政治資金規正法違反被告事件判決要旨」
http://shiminnokai.net/doc/shiryou09.pdf  
「別添資料10 報道資料」
 http://shiminnokai.net/doc/shiryou10.pdf 
八木さんは、審査申立書について、

「これはですね、検察審査会の審査員の方達は、法律の専門家ではいらっしゃらないので、法律論を述べるというのではなく、まっとうな普通の常識で判断しても、今回の田代不起訴がいかに非常識で、また、最高検報告書が論理破綻しているかを、簡潔に述べさせて頂きました。

それほど長いものではありませんので、お時間のない方も、これはお読みになっていただきたいと思います。」
と記したうえで、「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」について、次のように紹介している。

「こちらは、当会のイケメンで優秀な法曹チームの皆様が、法律論の観点から、最高検報告書の矛盾点を、ばっさり斬って捨てたものでございます。法律用語が使われていますが、なかなか痛快ですので、ストレス解消になると思います。」

まずは、「審査申立書」と「別紙 最高検の不当性と本件の明白性」をじっくりとご購読賜りたいと思う。
さらに、証拠資料集についての八木さんの言葉は以下の通り。

「それから続くのが、じつに楽しい証拠資料集でございます。

はい。少し時間も経ってしまいましたので、6月末の不起訴報道に、メディアの皆様が、どう反応されたかということを、今一度、審査員の皆様にも、メディアの皆様にも思い出して頂きたく、添付いたしました。

とにかく、検察がまともに捜査をしてくれないので、あたくしたちが調査をしていたのでございます。」  ・・・
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-7786.html   さん より

【】
【】 「冷戦後」という現実
 1991年12月にソ連が崩壊し第二次世界大戦後の冷戦体制に終止符が打たれた時、アメリカの政治家の多くはモスクワに向かった。歴史的瞬間を自らの身体で感じたいと思ったのだろう。また冷戦の終焉はそれまでの国家戦略を根底から見直す必要をアメリカに迫っており、そうした緊張感も多くの政治家をモスクワに向かわせたのだと私は思った。

 一つの歴史の終わりと新たな歴史の始まりを感じさせる動きだったが、日本に歴史的瞬間を体感しようとする政治家は現れなかった。冷戦の終焉を国会が議論することもなかった。政治家だけではなく日本全体が冷戦の終焉を遠くから見ていた。

 日本人にとっての戦後は、敗戦の荒廃から立ち上がり、他国にはない「勤勉さ」で高度経済成長を成し遂げたという成功物語である。平和主義に徹して冷戦による暴力の世界とは無縁でいることが成功の理由だと思い込んでいた。日本人は冷戦の終焉を「平和の配当が受けられる」と喜び、「自らの立場が根底から変わる」とは考えなかった。

 しかしアメリカは冷戦の終焉を喜んでなどいない。アメリカ議会では、ソ連の核の拡散をどう防ぐか、米軍の配備をどう変更するか、ソ連に代わる諜報の標的は何かなど、新たな秩序作りに向けた議論が3年余り続いた。その議論の前提にあるのは、米ソのイデオロギー対立で抑えられていた民族主義、宗教、文明の対立が世界中で噴き出し、世界は著しく不安定になるという認識である。

 その不安定な世界をアメリカが一国で管理する戦略とは何か。アメリカはそれまで以上に世界の情報を収集・分析する必要に迫られ、首都ワシントンのシンクタンク機能は強化され、諜報活動も冷戦時代以上に必要と認識された。一方で安全保障戦略の中枢は軍事から経済に移行すると考えられ、対ソ戦略を基にした米軍の配置を見直し、経済分野における諜報活動が強化されることになった。

 そうした中で「ソ連に代わる脅威」とみられたのが日本経済である。日本の経済力を削ぐ事がアメリカの国益と判断され、日本経済「封じ込め」が発動された。その一つが「年次改革要望書」を通して日本に国家改造を迫る事である。また一つは高度経済成長の司令塔であった官僚機構を弱体化させる事であった。さらに日本国家の血管部分に当たると言われる金融機関を抑え込むためBIS規制が導入された。

 アメリカの「年次改革要望書」は自民党の宮沢政権から麻生政権まで引き継がれ、小泉政権はこれに最も忠実に対応したが、09年の政権交代により鳩山政権の誕生でようやく廃止された。官僚機構でアメリカが標的にしたのは大蔵省と通産省である。東京地検特捜部が「ノーパンしゃぶしゃぶ」をリークし若手官僚を逮捕した接待汚職事件で大蔵省は威信を喪失、貿易立国を主導してきた通産省も輸出主導型経済を批判されて往時の面影を失った。そして自己資本比率8%の達成を迫るBJS規制は日本の銀行を貸し渋りに追い込み、企業倒産の増大と経済活動の停滞という「失われた時代」に日本を突入させたのである。

 アメリカが日本経済を目の敵にした理由は、戦後日本の経済成長は日本人の「勤勉さ」によるものではなく、冷戦のおかげだと考えるからである。アメリカのソ連封じ込め戦略は、アジアでは日本、ヨーロッパでは西ドイツを「反共の防波堤」にするため、両国の経済成長を図る事にあった。敗戦国の日本と西ドイツがアメリカに次ぐ経済大国となりえたのは冷戦のおかげである。しかし日本の高度経済成長はアメリカ経済にまで打撃を与えた。

 日本製品の集中豪雨的輸出がアメリカの製造業を衰退に追い込み、1985年、ついにアメリカは世界最大の借金国に転落する。一方の日本は世界最大の金貸し国となった。それでも冷戦体制にある間はアメリカが日本と決別することはできない。アメリカの軍事力に「タダ乗り」して金儲けに励む国をアメリカはただ批判するだけであった。
 ところが冷戦が終われば事情は異なる。もはや「タダ乗り」を許すわけにはいかない。アメリカの軍事力にすがりつかなければ日本の安全保障は維持できないと思わせる一方で、そのためには出費を惜しまないようにする必要がある。日米安保体制は冷戦の終焉で終わる運命にあったが、中国と北朝鮮の存在を理由に「アジアの冷戦は終わっていない」とアメリカは宣言し、日米安保は再定義され継続された。

 しかし中国と北朝鮮はかつてのソ連と異なる。ソ連は世界を共産主義化しようとしたが、中国も北朝鮮も世界を共産主義化しようとはしていない。していないどころか「改革開放」という名の資本主義化を目指している。ただ両国とも軍事に力を入れているところがアメリカにとって都合が良い。中国と北朝鮮の脅威を強調すれば日本から金を搾り取ることが出来るからである。

 北朝鮮がミサイルを撃てば日本はイージス艦やMD(ミサイル防衛)やアメリカの兵器を購入する。しかしその北朝鮮が最も手を組みたがっている相手がアメリカである事をアメリカはよく知っている。一方の中国はアメリカにとって今や日本以上に重要な経済パートナーである。相互依存度もダントツなら、日本をしのぐための技術開発でも米中は協力している。しかも核を持つ大国同士だから戦争することはありえない。アメリカは中国に追い越されたくはないが、いずれ米中2国で世界を管理する日が来るだろうと考えている。

 地下資源があるとみられる北朝鮮にもアメリカは興味がある。ミャンマーのような民主化を達成できれば、中国以上の影響力を行使できると考えている。日本の小泉政権アメリカの頭越しに北朝鮮と国交正常化を図ろうとしたが、アメリカは断固としてそれを許さなかった。同じように日本が周辺諸国と手を結ぶことをアメリカは望まない。日本はアメリカとだけ友好関係を築き、中国が大国化するのを牽制するために利用できる存在であればそれで良いのである。それが冷戦後のアメリカの基本戦略である。

 8月10日に韓国の李明博大統領が竹島に上陸して領土問題に火をつけた。大統領はその後も民族主義を煽る言動を繰り返して日本を挑発している。この人物の政治手法は小泉総理と似ている。アメリカを政権運営の後ろ盾としながら、小泉総理が靖国参拝で日本国民の反中国感情を刺激したように、慰安婦問題を持ち出して韓国の反日感情を刺激している。おそらくアメリカの許容範囲と見ているのだろう。

 15日には尖閣諸島に香港の活動家が上陸して逮捕・強制送還される事件が起きた。いずれも日本にとっては許しがたいが、日本の領土問題には第二次大戦とその後の冷戦体制が色濃く影を落としている。北方領土問題はそもそも太平洋戦争に勝利するためアメリカがソ連に千島列島を帰属させると約束して対日参戦を促した事から始まる。竹島は冷戦体制であったが故に日本は日韓協力を優先させて韓国の暴挙を見逃してきた。そして尖閣問題でアメリカは介入しない事を明言している。

 竹島尖閣アメリカが「日米安保の対象地域」と発言しても、国益にならない領土問題にアメリカが介入する事はない。つまり領土問題は日本が独力で解決する以外に方法はないのである。すでに世界が冷戦型思考を切り替えているのに、日本だけは「アジアの冷戦は終わっていない」とアメリカに教えられて冷戦型思考を引きずってきた。しかしこの夏に起きた領土を巡る不愉快な出来事は、日本が自身の戦後史を振り返り「冷戦後」の現実を直視するための格好の機会である。日本は自力で生き抜くしかない「冷戦後」の現実を下敷きにして今後の国家戦略を構築していくべきなのである。
 投稿者: 田中良紹 日時: 2012年8月26日 16:47 | パーマリンク
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/08/post_312.html  さん より

【 ここで、反(脱)原発の、真贋を見分けるリトマス試験紙の役割を、TPPが担っている。  大阪維新の会などTPP賛成の政党・団体は、
選挙後には、原発推進・維持に豹変する。】
【 野田は演説だけの男だ。
 この男は演説で人をだますことを政治だと勘違いしている。
 その時々で、自分の得になることを喋り、人をだましてきた。
 09年に国民をだまし、民主党員をだまして首相になり、選挙前にまた国民を演説でだます。
 こういう男に引っかかるのは、結局わたしたちの民度が低いのである。】
【】 「野田は、まさに日本国民に取り憑いた疫病神である:兵頭正俊氏」  憲法・軍備・安全保障
https://twitter.com/hyodo_masatoshi
 日韓とも、たまたま落ち目の三流の政治家同士がトップに並んだとき、激しいトップの空中戦が始まった。
 今までは、どちらかが、まともだったので、やり過ごせたのである。
 ダメな政治家たちのために、民族全体がいきり立つのは愚かである。
野田は、まさに日本国民に取り憑いた疫病神である。
わが国の中央紙は、国民の幸福のためにはならず、むしろ国民に災いをもたらす。
 消費税増税にせよ、TPPにせよ、むしろ地方紙が反対している。
 新聞はやめて、職場なり、図書館で読むことにしたらどうか。
 あるいは、どうしてもとるのなら、地方紙に切り替えて、地方紙を応援したらどうか。
 国民の生活が第一の、3つの緊急課題は、?原発ゼロ?消費税増税は廃止?地域が主役の社会、である。
 3つとも賛成である。
 しかし、TPPが入っていないことが、後になるほど、新党にまずい結果をもたらしそうである。
 今からでも入れたらどうか。
 これが入らないと〈国民の生活が第一〉にならない。
 民主党が、2030年の原子力発電の比率を決め、マニフェストに載せる。
 どう決めようが、民主党マニフェストなど信じる者はいないのである。
 民主党の「脱原発依存」こそ、第2の消費税増税、政治詐欺の新版である。
今回は、選挙後に与党でないのは確実なので、嘘も気楽だ。

 自民党の谷垣が、野田に対する問責決議案を提出する。
 この間、実質的な民・自・公の大連立政権(少数野党無視、国民無視の大増税大政翼賛会)で、お互いに一致協力して増税を決めたばかり。
 財務省のポチ同士。
 野田を褒めると思いきや、問責とは。 思考回路が人間離れしている。
 「原子力規制委員会」の、原発推進人事案と、民主党の「脱原発依存」は矛盾する。
 人事案が民主党の本音で、「脱原発依存」は選挙目当ての嘘。
 最初からB層狙いの選挙だが、そのB層の怒りが恐くて選挙区にも帰れない政治家がいる。
 それでいて、野田を批判できないのだから、政治家失格なのである。

原子力規制委員会」の初代委員長になろうとしている田中俊一は、
(1)原子力村の幹部で、 (2)原子力機構の予算増額を要求した人物。
(3)プルサーマル利用を推進し、
(4)徐染基準の1mSv引き下げに5mSvを主張した。
(5)20mSv未満の自主避難の賠償停止を主張した人物。
さらに田中俊一は、
(6)食品安全基準の500Bq→100Bq引下げにも反対した人物。
 かれが「原子力規制委員会」の初代委員長になると、かれの任期の5年間で、日本は破滅に追い込まれる。
 これが民主党の「脱原発依存」の正体である。

次の選挙では、どの政党も反(脱)原発を唱えるだろう。
 ここで、反(脱)原発の、真贋を見分けるリトマス試験紙の役割を、TPPが担っている。
 大阪維新の会などTPP賛成の政党・団体は、選挙後には、原発推進・維持に豹変する。
 それは「原子力規制委員会」の存在と、「対日政策提言」があるからだ。
「生活」党は、追加の緊急課題として、TPP反対を打ち出した方がいいのではないか。
 あるいは、小沢が定例の記者会見で反TPPを表明してもいい。
橋下徹を意識した高度の政治判断だったのだろう。
 しかし「生活」党の支持者は、ほとんど反TPPである。
 TPPを抜いたのは、禍根を残しそうである。
 8月23日に、IWJの、「TPPを通して『日本』を語る」を見た。
 ツイッターで活躍の面々が出ていて、緻密な議論が展開されていた。
 わたしが何度もツイッターで紹介したブログ『猿でもわかるTPP』の作者も初めて見た。
 発言はしなかったが、鈴木邦男も参加していた。 発言を聞きたかったな。
竹島話題が花盛り。
 これで原発も消費税増税もTPPもかき消されそうだ。
 そこに、この問題の、やらせの正体が透けて見える。

韓国大統領も野田も、敗北必至の選挙を控えて、これ以上の選挙対策はない。
 大助かりなのだ。 もっと盛り上げようとするだろう。
こういった田舎芝居に、だまされないことだ。
 野田の竹島尖閣の記者会見は、国民を煽るのが目的。
 そして消費税増税原発オスプレイ、TPPの失政を隠す。
 選挙の争点を外交・領土にすり替える策動が、マスメディアを総動員して行われてきた。
 このようにして国民はだまされ、民・自・公と大阪維新の会に投票する。
危険な兆候が出てきた。

 最近、関西のテレビで橋下の出ない日はない。
 メディアが懸命に橋下の人気を作っている。
 国政で何の実績もない男が、まるで政界の大物であるような取り上げ方だ。
 橋下も呼応して慰安婦問題でナショナリズムを煽っている。
 これは消費税増税原発の争点隠しであり、「生活」党潰しを狙ったものである。
 日韓の紛争は、消費税増税が可決した日に始まった。
 親書のやりとりなど、自民党時代には起きなかったことだ。
 野田と李明博という、三流の政治家がそろい、しかも国内の失政で不人気という、共通点から起きた紛争である。
 結局は、元に戻るのであり、両国とも国内の重要問題を見失わないことが大切だ。
野田は演説だけの男だ。
 この男は演説で人をだますことを政治だと勘違いしている。
 その時々で、自分の得になることを喋り、人をだましてきた。
 09年に国民をだまし、民主党員をだまして首相になり、選挙前にまた国民を演説でだます。
 こういう男に引っかかるのは、結局わたしたちの民度が低いのである。

中国が挑発に乗らないので、もっとナショナリズムをヒートアップさせるために、慎太郎が尖閣に向かう。
 こういうのは勇気でもなければ、強さでもない。 ただ愚かなだけだ。
 負けるとわかっていても戦争をやる、日本の、もっとも愚かで、恐い面を引き出そうとしている。
 老人の狂気だ。

米国は尖閣への日本の実効支配を認めているが、領有権は認めていない。
 米国が尖閣を安保第5条の適用範囲というのは、実効支配しているからだ。
 中国との領有権を巡る軍事衝突が起きたとき、米国は出てこない。
 第一、米国議会が、領有権を認めない無人島のために、参戦を決定することはないのである。
 慎太郎が尖閣に行く。
 行ったらならば、尖閣列島大正島久場島に上陸するがよい。
 ここは米軍の射爆訓練場にされている。
 また、諸島のどこかに大量の武器・弾薬が備蓄されているとの説もある。
 そんなに単純な、憂国の島ではないのである。
米国は、尖閣竹島の両島に、日本の領有権を認めていない。
 そこで常に中国・韓国との対立・緊張状態にわが国はおかれることになった。
分割して統治する。
 これが米国のアジア戦略である。
 見返りは、日本の政治・官僚・自衛隊の、対米隷属である。
 野田は、その場で、自分の得になることを、口先で喋るだけの男である。
 消費税増税反対が得になれば反対して政権をとる。
首相にもなる。 しかし、賛成が得となると、賛成する。
 法案化した後に、謝罪したのも得だからだ。
 多くの政治家・国民が、昨日の下らぬ演説を褒めている。
 橋下に負けるわけだ。
http://sun.ap.teacup.com/souun/8420.html  さん より
  さん より